愛着。
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物が良いとか悪いとか、本物だとか偽物だとか、そんなことは結局どうでもいいんじゃないかなって思うことがあります。
自分が手にするものに愛着が持てるような関係性が作れれば。

半年くらい前、古い椅子を頼まれて探していました。
古道具屋さんやアンティーク家具を取り扱うお店などを何軒か廻っていました。
そんな行動のなかで見つけた鎌倉彫の小箱。

木質では無かったですが、良い素材で作られたものではなかった様に思います。
蓋は割れて角部には亀裂、一部欠損もして、使用も保管も状態も悪く相当痛んでいたものでした。

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付いていた値札は500円。でも売り物と言うよりは破棄処分の範囲。
お店の人もそんなの持ってってどうするの的な状態でした。
一度は手にして、あまりの状態の酷さに戻したのですが、なんか処分されるだろうことに不憫に感じたんです。自分でくっ付けて直してみようかなって思って連れて帰りました。

たまたまその頃、母が急須の蓋を割ってしまって秋田の寿次郎さんに金継ぎをお願いしました。ついでにどんな感じで直せるのか意見を貰おうと思って、一緒に送ってみました。頂いた答えは、直しの本職がやったら5万位かかるんじゃないかって。ご意見でした。(^_^;)
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もちろん、100倍の投資は出来ないので、自分を直すことを選択し送り返してもらう様にお願いしました。
と、ところが~、寿次郎の佐藤さん「めんどくせ~!」と絶叫??しながら直してくれたんです。w
しかも、こんなにも素晴らしく。

鎌倉彫の様な拭き漆ではなく朱で塗って頂いたのですが、それがかえって素敵。
何よりも喜んでいるのは、私よりもこの小箱自身じゃないかな。
綺麗にお化粧し直して貰ってすごく喜んでると思う。

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寿次郎の佐藤さん有難うございました。
https://www.facebook.com/jujirou

直す前の写真は撮って有ったのですが、携帯データが消えてしまったので、お直し先の寿次郎さんの写真から引用。
これが直す前の状態。もう艶もなくなって白っぽくなってました。
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by masamin0811 | 2015-02-22 18:53 | diary
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